EC・D2Cの会社の売却は、相談から何をするのか ── 5つの段階と、売却しない方がいい場合
「会社を売るかもしれない。相談したら、そこから何が起きるのか」。売却を考え始めた経営者が、最初に知りたいことです。
この動画では、当社に相談してから売却するまでの段階を、画面を見せながら話しました。今すぐでなくても、2年先、3年先に売るかもしれない方に向けた内容です。私は2022年に自分のEC事業を売り、国内最大手のM&A仲介会社で支援の経験を積んでから、CommerceX M&Aを立ち上げた。親会社のCommerceXホールディングスでは執行役員も務めています。
この記事の結論は次の4つです。
- 相談から売却までは5つの段階で進む。相談と現状の整理、価値の把握、相手探し、条件の交渉と基本合意、引き継ぎです
- 時間をかけるのは3つ目の相手探し。何社かに会ってみて、違うと思えばやめればよい。可能性を探る段階です
- 最後の引き継ぎは、譲渡した後に事業を伸ばすためのもの。売って終わりにせず、事業が伸びるM&Aを目指します
- 売却しない方がいいと伝えることもある。売りたい理由を聞き、その目標にとって最もよい選択肢を提案するからです
相談から売却までは5つの段階で進む(動画 1:36〜)
相談から売却までは、相談と現状の整理、価値の把握、相手探し、条件の交渉と基本合意、引き継ぎの5つの段階で進みます。売却までには、余裕を見て2年ほどあるとよいと私は考えています。
急げば3か月ほどで進むこともあります。今すぐ売らなければならない状況では、すぐに相手を探す。ただ本来は、1年、2年と余裕を見て準備してから進めるほうがよいと言われています。期間の内訳はEC事業の売却は何か月かかるのかにまとめました。
| 段階 | 中身 |
|---|---|
| 1. 相談と現状の整理 | 自社の強み、これまでの取り組み、将来の計画を整理し、事業計画と企業概要書(買い手に会社を紹介する資料)を作る |
| 2. 価値の把握 | 企業の価値を算定する |
| 3. 相手探し | 買い手の候補を100〜200社ほど出し、当たりたい先と避けたい先を決めて、優先する先から紹介する |
| 4. 条件の交渉と基本合意 | 関心を持った相手と条件を詰め、基本合意書を結ぶ。最終契約まで3〜6か月ほどで進むこともある |
| 5. 引き継ぎ | 譲渡した後に事業をどう伸ばすかまで、引き継ぎを一緒に進める |
1つ目の整理では、企業価値の算定はもちろん行います。そのうえで、どこに譲渡するのがよいかを選ぶために、自社の強み、これまでの取り組み、将来の計画を整理する。事業計画を作り、企業概要書もきちんと作ります。目指すのは、買い手がぱっと見たときに、良い会社だからぜひ一緒にやりたいと思ってもらえる資料です。1つ目と2つ目には、それほど時間はかかりません。
売却までの流れを7つの手順に分けて話した回は、EC事業の売却はどんな順番で進むのか ── 売ると決めてから決済までの7つのステップと、売り出す時期にまとめています。
時間をかけるのは、3つ目の相手探し(動画 2:49〜)
最も時間がかかり、時間をかけるべきなのが3つ目の相手探しで、1年、2年かかることもあります。いろいろな相手と長く会っていくことが、この段階の要です。
相手探しの前に、買い手の候補を100〜200社ほど出します。この会社には今こういう買収のニーズがあり、関心を持つかもしれない。そうした話を、売り手と一緒に詰めていく。この会社とは一緒になりたくない。ここは競合なので自社の情報を見せたくない。売り手にはいろいろな事情があります。当たりたい先と避けたい先をまず話し合い、優先して進めたい先から順に紹介していきます。
売却を考える方が見落としがちなのは、関心を持った相手が出てきて一緒にやりたいと言わない限り、何も始まらないことです。結婚相手がいないまま結婚したいと言っても、まだ現実味がないのと同じ。
「何社か会ってみるのが大事で、会ってみた結果、やっぱり違うなと思ったらやめればいいんです。そこで可能性を探っておくのがすごく大事です」(3:51)
だから当社は、この3つ目の段階に力を入れています。
最後の引き継ぎは、譲渡した後に事業を伸ばすためのもの(動画 4:02〜)
最後の引き継ぎでは、譲渡した後に事業をどう伸ばすかまでを、一緒に考えて進めます。その前の4つ目の段階で、条件を詰めて基本合意を結びます。
関心を持つ相手が出てきた段階で条件を示し、基本合意書(最終契約の前に主な条件を確かめる書面)で内容を詰めます。基本合意から最終契約までは、3〜6か月ほどで進むこともある。
5つ目に引き継ぎを入れているのは、譲渡して終わりにしたくないからです。
「やるなら、譲渡した後に伸ばしてほしいですよね。事業自体を」(4:18)
事業が伸びるM&Aをしてほしい。だから引き継ぎの期間というより、PMI(買収後の統合)と呼ばれる段階までを考えます。買い手に譲り渡した後、どうやって事業を伸ばしていくか。そこまでどう引き継ぐかを一緒に進めるのが、当社の特徴です。
当社が支援に生かしていること(動画 4:40〜)
当社は、EC・コマース領域の実務の理解、自分で事業を売った経験、グループで買収した会社を伸ばしてきた経験を支援に生かしています。どれも、売却とその後の事業の伸ばし方に関わる点です。
当社はEC・コマース領域に絞っているため、業界の話がすぐに通じます。私自身が事業を売っているので、譲渡を考えるオーナーの今の状況や、なぜ売ろうと思ったのかという気持ちにも共感できる。親会社のCommerceXホールディングスは、これまで7件ほどの買収をして、買った会社を伸ばしてきました。そのやり方を使い、売却した事業をどう伸ばすかも一緒に考えます。
価値の伝え方では、決算書に載らない資産を重視しています。ECでは、定期通販の顧客、SNSのアカウントといった無形資産(形のない資産)です。それがどれだけ価値のあるものかを買い手に伝える。買い手からよく来る質問に答えやすいよう会社を整える、バリューアップ(会社の価値を上げる支援)も行います。
売却しない方がいい場合もある(動画 6:14〜)
売りたい理由を聞いたうえで、その目標にとって最もよい選択肢を提案するため、売却しない方がいいと伝えることもあります。それでも売りたいと決めた場合は、売却を進めます。
M&Aの相談では、会社のことばかりに目が向きがちです。けれど経営者も人です。なぜ売りたいのかを聞くと、プライベートな理由を挙げるオーナーは多い。
| 売りたい理由 | 例 |
|---|---|
| 人生の段階が変わった | 結婚をして、資金が少しほしい |
| 家族との時間 | 子どもが小さく、子どもに割く時間を増やしたい |
| 事業の先行き | 従業員やブランドを、もっと大きくしてほしい |
こうした目標のために、M&Aをどう使えば解決に近づくか。理由を踏まえて、最もよい選択肢を提案します。その答えが、今は売らないことになる場合もある。
「売却しない方がいいですよ、みたいなことも全然言います」(6:51)
以前の動画では、売るかどうかを判断するための診断の道具を紹介しました。今は売却しない方がおそらくよい、ということも、私ははっきり伝えます。それでも売りたいと言われたときは、売却を進める。こうした助言も含めて支援します。診断の道具は会社を今売るか、3年後に売るかはどう比べるのかで話しました。
当社が目指すのは、資源を持つ相手に会社をつなぎ、その後にブランドをうまく伸ばしていくことです。親会社のCommerceXホールディングスにはいろいろな子会社があり、その力も使って支援します。
手数料と情報の扱い(動画 7:39〜)
当社は完全成功報酬のため、相談から企業概要書の作成、相手探しまで、成約するまで費用はかかりません。情報は、NDA(秘密保持契約)を結んで管理しています。
成約しないと、当社の利益はまったく出ません。それでも、いろいろな会社に会って支援したいという思いが私にはあります。手数料の仕組みはM&Aの手数料はなぜ高いのかで話しました。
情報の管理は徹底しています。NDAを結び、社内でも情報を漏らさない体制をとっている。まだ売るには早いかと迷っている段階の方こそ、気軽に相談してほしいと思っています。
この記事のまとめ
- 相談から売却までは、相談と現状の整理、価値の把握、相手探し、条件の交渉と基本合意、引き継ぎの5つの段階
- 急げば3か月ほどのこともあるが、売却までには余裕を見て2年ほどあるとよい
- 時間をかけるのは相手探し。何社かに会い、違うと思えばやめればよい
- 引き継ぎでは、譲渡した後に事業を伸ばすところまでを一緒に考える
- 売りたい理由を聞いたうえで、売却しない方がいいと伝えることもある
- 当社は完全成功報酬で、成約するまで費用はかからない
よくある質問
Q. 売却の相談は、いつからすればいいですか。
A. 今すぐでなくても、2年先、3年先に売るかもしれない段階から相談できます。急げば3か月ほどで進むこともありますが、売却までには余裕を見て2年ほどあるとよい。まだ売るには早いかと迷っている段階の方こそ、相談してほしいと考えています。
Q. 相手探しには、どれくらい時間がかかりますか。
A. 5つの段階の中で最も時間がかかり、1年、2年かかることもあります。買い手の候補を100〜200社ほど出し、優先する先から紹介していく。会ってみて違うと思えばやめればよく、可能性を探る段階です。
Q. 相談すると、必ず売却を勧められますか。
A. いいえ。売りたい理由を聞き、その目標にとって最もよい選択肢を提案するため、売却しない方がいいと伝えることもあります。それでも売りたいと決めた場合は、売却を進める。決めるのはオーナーです。
ご相談ください
この記事の結論は「相談から売却までは5つの段階で進み、時間は相手探しにかけ、売るかどうかは売りたい理由から考える」です。
売却を考えている方へ。相談から企業概要書の作成、相手探しまで、成約するまで費用はかかりません。売りたい理由をうかがい、売却しない方がいい場合はそうお伝えする。まだ売るには早いかと迷っている段階でも、ご相談いただけます。
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