10億円未満で買えたEC事業14件 ── 利益の10年分以内は5件だけ、残りは何で決まったか
「うちの投資枠は数億円です。この規模でまともなEC事業が買えますか」。買収のご相談で毎月いただく質問です。
買えます。2014年から2026年に上場企業が10億円未満で成立させたEC・D2C領域の買収を、原本から14件拾いました。買い手は東証プライムからスタンダードまで並びます。ただしこの帯は、利益の何倍という物差しが成立しない案件のほうが多数です。
この記事の結論は次の4つです。
- 株式の代金は1億700万円から8億6,000万円。14件すべて適時開示または当事者の公式発表で確認しました
- のれんが営業利益の10年分以内に収まったのは5件だけ。1.3年分から5.3年分に分布し、中央値は4.7年分でした
- 残る9件は年数で説明がつきません。営業利益が小さいか赤字で、値段は純資産の何倍か(PBR。譲渡価額÷純資産)で決まっています。1.18倍から12.15倍まで開きます
- 14件のうち4件は、買う前から取引がありました。外注先、仕入先、業務提携先です
14件の一覧
金額は株式の代金だけで、アドバイザリー費用を含みません。比率が100%でないものは100%に換算。財務は開示された決算書ベース(利益修正前)の直近期です。
| 発表日 | 買い手 → 対象 | 株式の代金 | 比率 | 100%換算 | 純資産 | のれん | 年数 | PBR |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 2022-03-04 | アクシージア → ユイット・ラボラトリーズ | 8.60億円 | 100% | 8.60億円 | 7.27億円 | 1.33億円 | 12.1年 | 1.18倍 |
| 2026-02-20 | セキュア → TOUCH TO GO | 8.42億円 | 56.2% | 14.98億円 | 11.27億円 | 3.71億円 | 営業赤字 | 1.33倍 |
| 2026-01-27 | AnyMind Group → MISM | 6.40億円 | 100% | 6.40億円 | 0.94億円 | 5.46億円 | 4.7年 | 6.81倍 |
| 2021-12-17 | フィードフォースグループ → フラクタ | 6.15億円 | 51.25% | 12.00億円 | 1.09億円 | 10.91億円 | 155.9年 | 11.01倍 |
| 2024-12-20 | 粧美堂 → ピコモンテ・ジャパン | 4.00億円 | 52.0% | 7.69億円 | 5.05億円 | 2.64億円 | 1.3年 | 1.52倍 |
| 2021-10-14 | フィードフォースグループ → シッピーノ | 3.21億円 | 46.8% | 6.85億円 | 0.97億円 | 3.71億円 | ― | 7.06倍 |
| 2023-06-23 | クラシコム → foufou事業の承継会社 | 3.00億円 | 100% | 3.00億円 | 0.85億円 | 2.15億円 | ― | 3.55倍 |
| 2024-03-04 | ピアラ → ジョシュアツリー | 2.00億円 | 100% | 2.00億円 | 0.37億円 | 1.63億円 | 2.8年 | 5.40倍 |
| 2025-10-10 | ジェリービーンズグループ → MAKE BEAUTURE | 2.00億円 | 100% | 2.00億円 | △0.66億円 | 2.66億円 | 営業赤字 | 債務超過 |
| 2024-02-13 | リベルタ → アフラ | 1.80億円 | 100% | 1.80億円 | 0.68億円 | 1.12億円 | 5.3年 | 2.65倍 |
| 2023-01-12 | デジタリフト → meyco | 1.58億円 | 90.0% | 1.76億円 | 0.14億円 | 1.61億円 | 98.5年 | 12.15倍 |
| 2014-05-23 | 健康コーポレーション → アンティローザ | 1.50億円 | 100% | 1.50億円 | 1.14億円 | 0.36億円 | 5.1年 | 1.32倍 |
| 2024-01-12 | ジェイフロンティア → グリフィス | 1.20億円 | 40.0% | 3.00億円 | △0.17億円 | 3.17億円 | 75.4年 | 債務超過 |
| 2026-03-26 | フィードフォースグループ → ECPower | 1.07億円 | 84.8% | 1.16億円 | 0.25億円 | 0.77億円 | 営業赤字 | 4.72倍 |
のれんは100%換算から純資産を引いた当社の概算です。ただしシッピーノ・foufou・ECPowerは、有価証券報告書で確かめた連結の計上額を載せています(シッピーノは買い手の持分の分だけ、foufouの純資産は承継会社の受入純資産、ECPowerの100%換算は現金と株式交換で払った総額)。
年数で説明できたのは5件だけ
のれんが営業利益の10年分以内に収まったのは、14件のうち5件です。残り9件は営業利益が小さすぎるか、赤字か、債務超過でした。
| 対象 | のれん | 営業利益 | 年数 |
|---|---|---|---|
| ピコモンテ・ジャパン | 2.64億円 | 2.02億円 | 1.3年 |
| ジョシュアツリー | 1.63億円 | 0.57億円 | 2.8年 |
| MISM | 5.46億円 | 1.17億円 | 4.7年 |
| アンティローザ | 0.36億円 | 0.07億円 | 5.1年 |
| アフラ | 1.12億円 | 0.21億円 | 5.3年 |
レンジは1.3年分から5.3年分、中央値4.7年分。10億円超の帯で当社(CommerceX M&A)が確認した8件は1.3年分から10.2年分・中央値5.0年分で、中央値は近いのに上限が5.3年分で止まります。
アンティローザの年数は発表時の純資産で出した概算です。取得日の純資産は2億3,563万円の債務超過で、連結に計上されたのれんは4億1,297万円(営業利益の59.0年分)でした。アンティローザを除く4件に共通するのは、営業利益が2,100万円以上あること。数字が実力を映している会社にだけ倍率が使えます。
規模の効果も同じ向きに働きます。中小企業庁が2024年度に集計したPER中央値は、対象会社の純資産が5百万〜1千万円で8.0倍、3億〜5億円で14.9倍。小さい会社ほど倍率は下がり、その差は引き継ぎの重さの分です(数百万円でEC事業は買えるのか ── スモールM&Aの相場と、1件目に選ばない案件で詳述)。
過半数だけ取れば、支出は半分になる
14件のうち5件は100%を取っておらず、うち2件は100%換算で10億円を超えます。
| 対象 | 株式の代金 | 比率 | 100%換算 |
|---|---|---|---|
| TOUCH TO GO | 8.42億円 | 56.2% | 14.98億円 |
| フラクタ | 6.15億円 | 51.25% | 12.00億円 |
| ピコモンテ・ジャパン | 4.00億円 | 52.0% | 7.69億円 |
| グリフィス | 1.20億円 | 40.0% | 3.00億円 |
| ECPower | 1.07億円 | 84.8% | 1.16億円(株式交換を含む総額) |
ジェイフロンティアは議決権40.0%で連結子会社にしました。開示には「取締役会における構成員の過半数を当社から派遣するため」連結子会社になるとあります。議決権ではなく取締役会の構成で支配を取った形です。残り分の扱いは最初の契約で決めます。フィードフォースグループはECPowerの残り15.2%を、金銭ではなく株式交換で取得しました。
買う前から取引があった4件
この帯では、すでに一緒に仕事をしている相手を買う型が目立ちます。
- ピコモンテ・ジャパン(粧美堂)── 上場会社との関係欄に「当該会社より商品を仕入れています」
- ジョシュアツリー(ピアラ)── 「2020年より当社の外部委託先であり、当社を熟知するジョシュアツリー」
- MISM(AnyMind Group)── 「当社グループとの間に営業取引があります」
- MAKE BEAUTURE(ジェリービーンズグループ)── 2024年10月25日に業務提携し、1年後の2025年10月10日に子会社化
対象会社は規模が小さく、公開情報も乏しく、決算書からは実力が読めません。取引を通じて実力を見てから買う順序が、値づけの根拠を作っています。
6億円から8億円台の4件
アクシージア → ユイット・ラボラトリーズ(8.60億円・100%)
2022年3月、化粧品D2Cのアクシージアが千趣会の子会社だった受託製造会社を全株取得。開示は「設備投資資金を…株式取得資金に充当することにより工場建設・稼働までの時間を短縮し」と書いています。自社で工場を建てる費用と時間を、買収代金と比べた案件です。純資産7.27億円に対しPBR1.18倍。
セキュア → TOUCH TO GO(8.42億円・56.2%)
2026年2月、無人決済店舗の会社を過半数取得。直近期は売上9.68億円で営業損失6,300万円。それでも純資産11.27億円があり、PBRは1.33倍。開示は「直近の売上高は著しく伸張しており、営業損益も大幅な改善傾向にあります」と説明します。営業損失は2.75億円、1.75億円、0.63億円と縮んでいます。赤字でも純資産が厚ければ、値段は純資産に近づきます。詳細は個別の事例記事にあります。
AnyMind Group → MISM(6.40億円・100%)
2026年1月、縦型動画の制作会社を全株取得。売上は0.32億円、1.08億円、3.66億円と3期で11倍。開示は「年間2万本以上の動画制作実績を有しています」と書いています。のれん5.46億円は営業利益1.17億円の4.7年分。直近1期で利益が16倍に跳ねており、この1期が続く前提の値段です。財務数値には監査を受けていない旨の注記があります。詳細は個別の事例記事にあります。
フィードフォースグループ → フラクタ(6.15億円・51.25%)
2021年12月、ECサイト構築とブランディング支援の会社を過半数取得。売上4.86億円に対し営業利益は700万円で、のれんは155.9年分。PBRは11.01倍。開示は「企業のブランドの自走を支援するトータルブランディングパートナー」と説明。払った対象は利益ではなく、顧客と人です。DCF法で算定。有価証券報告書で計上されたのれんは、買った51.25%の分だけの5.66億円(10年償却)で、2024年5月末までに償却と減損でゼロになりました。詳細は個別の事例記事にあります。
3億円から4億円台の3件
粧美堂 → ピコモンテ・ジャパン(4.00億円・52.0%)
2024年12月、化粧品OEM会社の過半数を取得。売上24.90億円・営業利益2.02億円・純資産5.05億円で、14件で最も年数が短い1.3年分。理由は内製化です。「これまで外部に委託していた化粧品の製造販売業、輸入代行業を当社グループで内製化し、ノウハウを蓄積することが重要だと判断いたしました」。利益も資産もある会社が、年買法の下限で取れています。なお1.3年分は開示の最新期の純資産で割った値です。取得日までに純資産が約2.1億円増えていたため、粧美堂が連結に計上したのれんは2,666万円(3年償却)で、営業利益の0.25年分相当でした。詳細は個別の事例記事にあります。
フィードフォースグループ → シッピーノ(3.21億円・46.8%)
2021年10月、EC出荷業務を自動化するサービスの会社。既存株主から74株を3.21億円で取得し、5,200万円の第三者割当増資も引き受けて議決権50.59%としました。増資分は会社に入る金なので、評価額から外します。株式の代金だけで100%に換算すると6.85億円、PBR7.06倍。営業利益400万円では年数が成立しません。有価証券報告書で計上されたのれんは3.71億円(10年償却)で、約11か月後に未償却の3.43億円を減損しています。詳細は個別の事例記事にあります。
クラシコム → foufou事業の承継会社(3.00億円・100%)
2023年6月、「北欧、暮らしの道具店」のクラシコムがアパレルブランド「foufou」の事業だけを取得。ステイト・オブ・マインドがfoufou事業を吸収分割で新設会社へ切り出し、その株式を買う二段構えです。分割元は純資産マイナス1.18億円の債務超過で、切り出した事業の財務は発表時には非開示でした。有価証券報告書では、承継会社は資産1.65億円とともに流動負債8,046万円を引き継いでおり、受入純資産8,457万円に対してのれんは2億1,544万円(代金の72%・10年償却)です。詳細は個別の事例記事にあります。
1億円から2億円台の7件
ピアラ → ジョシュアツリー(2.00億円・100%)
2024年3月、広告運用の外注先を全株取得。売上は0.76億円、0.74億円、2.98億円で、営業利益は2期連続赤字から5,726万円へ転じました。のれんは2.8年分。開示は「当社課題である納品効率を改善し」と書いています。買い手の側に問題があり、その答えを持つ外注先を買った案件です。詳細は個別の事例記事にあります。
ジェリービーンズグループ → MAKE BEAUTURE(2.00億円・100%)
2025年10月、婦人靴の会社が化粧品D2Cを全株取得。2024年11月期は売上0.84億円、営業損失1,400万円、純資産マイナス6,600万円の債務超過。純資産がマイナスのため、のれんは譲渡価額を上回る2.66億円。開示の理由には「SNSやライブコマースに関する高い知見と実行力」を靴事業へ適用することが挙がっています。
リベルタ → アフラ(1.80億円・100%)
2024年2月、日用品メーカーがエステサロン向け化粧品のOEM会社を全株取得。売上3.42億円・営業利益2,100万円・純資産6,800万円で、のれんは5.3年分。この帯で年数が最も長い取引です。開示は「エステ向けコスメの開発・販売ノウハウを有し成長を続けております」と説明。14件で唯一、資本・人的・取引の関係がない相手からの取得です。詳細は個別の事例記事にあります。
デジタリフト → meyco(1.58億円・90.0%)
2023年1月、デジタル広告会社がマーケティング支援会社の9割を取得。売上3.54億円に対し営業利益は164万円で、PBRは12.15倍と14件で最も高い水準。2018年設立、資本金100万円の会社で、2022年9月期の純資産は1,445万円、総資産は1億1,493万円でした。開示は「UI・UXなどのクリエイティブ制作力に強み」と説明します。詳細は個別の事例記事にあります。
健康コーポレーション → アンティローザ(1.50億円・100%)
2014年5月、現在のRIZAPグループがレディースアパレルの会社を全株取得。売上16.26億円・営業利益700万円・純資産1.14億円で、代金から発表時の純資産を引いた差額は3,600万円(5.1年分)。営業利益が5,700万円から700万円へ落ちた直後の取引です。値段は「前期の営業利益の減少要因の分析」をふまえて決めたと開示にあります。有価証券報告書では、取得日の純資産は2億3,563万円の債務超過で、連結に計上されたのれんは4億1,297万円(10年償却)でした。詳細は個別の事例記事にあります。
ジェイフロンティア → グリフィス(1.20億円・40.0%)
2024年1月、物流会社の議決権40%を取得。売上39.18億円に対し純資産はマイナス1,718万円の債務超過で、営業利益は420万円。100%換算3.00億円は売上の0.08倍。開示は対象を「日本全国に物流ネットワークを保有し」と説明します。売上40億円規模の物流機能を、株式の代金1億2,000万円(取得関連費用540万円は別)で押さえた案件です。有価証券報告書で計上されたのれんは3.99億円(10年償却)で、取得時のマイナス2.79億円の純資産を含みます。詳細は個別の事例記事にあります。
フィードフォースグループ → ECPower(1.07億円・84.8%)
2026年3月、Shopify向け顧客分析ツールの会社を取得し、残り分を株式交換で完全子会社化。従業員数は0名(代表取締役1名と外部委託で運営)。売上0.19億円(決算報告書。適時開示の表は0.22億円)、営業損失265万円、純資産0.25億円。現金と株式交換で払った総額は1.16億円で、連結に計上されたのれんは0.77億円です。開示は「EC事業者のリピート率向上とLTV最大化に強みを有しております」と説明。買っているのはプロダクトで、組織ではありません。詳細は個別の事例記事にあります。
買い手が読み取れること
いくらまで払えるか
利益倍率だけで上限を決めると、14件のうち9件は検討の土俵に乗りません。物差しをもう1本持つ必要があります。
その1本は代替コストです。アクシージアの開示がその形を書いています。工場を建てる費用、稼働までの時間、人材確保のリスク。この3つを金額に直したものが上限。相場の何倍という説明より、根拠を持って提示できます。
当社の査定では、単一の評価額を出しません。保守・計画・直近の3通りの利益で倍率を振り、希望価格がレンジのどこに座るかを見る。座りが決まってから、次の行動を決めます。
何を検証するか
利益が小さい会社ほど、損益計算書より事業の中身が判断材料になります。
キーパーソンの帰属。ECPowerは従業員0名、ジョシュアツリーとmeycoは資本金100万円規模。事業がひとりに属していないかを確かめ、残留期間と競業避止を価格と同じ重みで交渉します。
受託先への依存。フラクタ、シッピーノ、meyco、ジョシュアツリーは支援事業です。売上が特定の発注元に集中していれば、契約が切れた時点で消えます。
赤字の方向。TOUCH TO GOの営業損失は2.75億円から0.63億円へ縮み、MAKE BEAUTUREの債務超過は広がっていました。同じ赤字でも意味が逆になります。
売上は伸ばせても、利益まで伸びるのは商品と単価が揃った案件だけ。広告も値上げもインフルエンサーも増幅装置で、土台の商品が弱ければ空回りします。当社は、この一点を買う前の足切りにしています。
買った後に何が起きるか
この規模では、買い手が誰を送り込めるかが伸びの上限を決めます。対象会社の従業員は10名前後、あるいは0名。買った瞬間に組織が手に入るわけではありません。
のれんは減損の対象です。フラクタの差額10.91億円(有価証券報告書の計上額は5.66億円)とシッピーノの3.71億円(計上額)は、営業利益700万円と400万円の会社に対する差額。下振れれば損失に変わります。シッピーノは約11か月後に未償却の3.43億円を減損しました。
買収のペースを決めるのは、資金ではなく人。当社の見解では、事業責任者を初日に当てられない買収は、のれんと人件費の負担でマイナスになります。経営者が残ることは、自社の責任者を欠いてよい理由になりません。
この記事のまとめ
- 上場企業が10億円未満で払った額は1億700万円から8億6,000万円。14件すべて原本で確認しました
- のれんが営業利益の10年分以内に収まったのは5件で、1.3年分から5.3年分・中央値4.7年分
- 残る9件は年数で説明がつかず、純資産の1.18倍から12.15倍で値段が決まっていました
- 5件は100%を取っておらず、うち2件は100%換算で10億円超
- 4件は買う前から取引がありました。外注先、仕入先、業務提携先です
よくある質問
Q. 数億円の予算でも、上場企業と競合しますか。
A. この14件の買い手は東証プライムからスタンダードまでの上場企業で、同じ帯で動いています。ただし上場企業は開示義務と決裁の時間を抱えるため、判断の速さで差はつきません。差がつくのは案件に届く順番。非公表の取引のほうが数として多く、そこに名前が入っているかで結果が変わります。
Q. 営業利益が小さい会社に、なぜ数億円がつくのですか。
A. 決算書に載らないものに払っているためです。フラクタは営業利益700万円で6.15億円、meycoは営業利益164万円で1.58億円。買い手が挙げた理由は制作力と顧客基盤で、どちらも貸借対照表に出ません。ただし14件のうち4件は、買う前に取引を通じて実力を見ています。決算書だけを見て高い値をつけた例は、この14件にありません。
Q. 100%取るのと過半数だけ取るのは、どちらが有利ですか。
A. 支出は過半数のほうが小さくなります。この14件では100%換算14.98億円の会社を8.42億円で、12.00億円の会社を6.15億円で取得。代わりに、残り分をいつ、いくらで買うかという論点が残ります。最初の契約に決め方を書いておかないと、伸びた後の値段で買うことになります。
Q. この規模の案件は、どこで見つかるのですか。
A. 公表されるのは、買い手が上場企業で開示義務がある場合だけ。この14件もその条件を満たしたものに限られます。数億円規模は非公表の取引が中心で、そこに届くかどうかが買い手の力になります。CX BASEでは、買いニーズを登録いただいた企業へ条件に合う案件を公開前にご案内しています。
ご相談ください
10億円未満の帯では、利益倍率が使えない会社のほうが多数です。物差しを2本持ち、代替コストから上限を置く。そのうえで、買う前に相手の実力を見る時間を取る。14件が示すのはその順序です。
CX BASEは、EC・小売・D2C領域の譲渡案件を扱っています。買いニーズを登録いただいた企業に届くのは、条件に合う新着案件のご案内と、公開前の個別打診。登録に費用はかかりません。
買収をお考えの方へ
→ 案件を見る
→ 買収の相談をする
売却をお考えの方へ
→ 売却の相談をする
出典
- 適時開示(株式取得・子会社化に関する各社の開示。2026年9月4日確認):アクシージア 2022-03-04/セキュア 2026-02-20/AnyMind Group 2026-01-27/フィードフォースグループ 2021-10-14・2021-12-17・2026-03-26/粧美堂 2024-12-20/クラシコム 2023-06-23(吸収分割承継会社の株式取得)/ピアラ 2024-03-04/リベルタ 2024-02-13/デジタリフト 2023-01-12/健康コーポレーション 2014-05-23(札幌証券取引所アンビシャス)/ジェイフロンティア 2024-01-12
- ジェリービーンズグループ 適時開示 2025-10-10 および経過開示 2025-10-23。2026年9月1日確認
- 純資産規模別のPER中央値:中小企業庁「登録支援機関を通じた中小M&Aの集計結果」2024年度。2026年8月30日確認
- 10億円超の帯ののれん年数8件:当社集計(各社の適時開示)。2026年9月1日確認
- 連結に計上されたのれん・受入純資産:フィードフォース(シッピーノ)・クラシコム(foufou)・フィードフォースグループ(ECPower)・粧美堂(ピコモンテ・ジャパン)・ジェイフロンティア(グリフィス)・フィードフォースグループ(フラクタ)・健康コーポレーション(アンティローザ)の有価証券報告書の企業結合注記。2026年10月16日確認
(金額は株式の代金です。アドバイザリー費用を含む総額とは分けています。取得比率が100%でない場合は100%に換算しました。対象会社の財務は適時開示に記載された決算書ベース、利益修正前の直近期の数字です。本記事は公表情報にもとづく分析であり、個別の評価額を保証するものではありません)
(2026年10月16日:シッピーノ・foufou・ECPower・ピコモンテ・ジャパンののれんと純資産、グリフィスの株式の代金を有価証券報告書などの記載に合わせて訂正し、フラクタとアンティローザの連結に計上されたのれんを書き足しました。あわせて、meycoの営業利益を四捨五入の164万円にそろえ、「貸借対照表にはほとんど何も載っていない」という記述を、開示の純資産と総資産の数字に置き換えました)